相続税のQ&A
Q1)相続税の申告をする必要があるのはどんな人ですか?
A1) 被相続人から相続、遺贈、相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得した各人の課税価格の合計額が、基礎控除額を超える場合には、その財産を取得した人が相続税の申告をする必要があります。
したがって、課税価格の合計額が基礎控除額以下である場合には、相続税の申告は必要ありません。なお基礎控除額とは、3,000万円+(600万円×法定相続人の数)の算式で計算します。
※平成26年12月31日以前に相続が発生している場合は、5,000万円+ (1,000万円×法定相続人の数)
Q2)提出に期限はありますか?
A2) 相続税の申告書の提出期限は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内です。
Q3)婚姻期間20年以上である夫婦で、夫が亡くなったため、妻は夫の遺産を相続することになりましたが、昨年夫から現在住んでいる住宅と土地の贈与を受けていました。このときの贈与税は贈与税の配偶者控除を受けたため課税されませんでしたが、相続税では相続開始前3年以内の贈与財産として相続税財産に加算し課税されることになるのでしょうか?
A3) 相続開始前3年以内の被相続人からの贈与財産の価額のうち、その贈与税の配偶者控除を受けた金額に相当する部分は、相続税の計算上、相続開始前3年以内の贈与財産の加算の対象にはなりません。(相法19)
Q4)相続した財産を売却するときに、また税金がかかるのですか?
A4) 相続時に相続税を納めて取得した財産であっても売却するときには原則として譲渡所得税が課税されます。ただし、この譲渡所得税を減額することができる特例があります。
この特例のことを『相続税額の取得費加算の特例』といいます。相続により取得した財産を、相続税の申告期限の翌日以後3年以内に譲渡した場合には、支払った相続税額のうち、一定の金額をその譲渡所得の計算上、経費とすることができるというものです。
この特例の適用を受けるためには確定申告をすることが必要です。また、期限がありますのでお早めの決断が求められます。
Q5)相続税の申告はどのタイミングで相談するのがベストですか?
A5) 相続税の申告期限は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内となります。
相続発生後は、被相続人の財産・債務の把握、相続人の確認等さまざまな作業を行う必要があります。
その財産・債務を把握したうえで相続放棄を選択する場合は、相続開始日から3ヶ月以内に申出なくてはなりません。また、被相続人の準確定申告(その年の1月1日~相続発生日までの確定申告)は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に行わなくてはなりません。
よって、相続税の申告の相談は、早ければ早いほどよいといえるでしょう。できれば相続開始日から2ヶ月以内にされることをお勧め致します。
Q6)相続税の節税はできるのでしょうか?
A6) 相続税の節税につながる基本的な手法は以下のとおりです。
<生前贈与>
生前贈与を行うことにより、将来の相続財産の減少を図ります。
この場合は、生前贈与する財産の種類・金額、贈与税の特例などの選択について十分検討しなければなりません。
<評価引き下げ>
評価額の高い財産(現金・預金など)を、評価額の比較的低い財産(アパートやその敷地など)にシフトさせることにより、将来の相続税の節税を図ります。
なお、節税対策とともに、生命保険などを活用して将来の相続税の納税資金を準備しておくことも重要です。
Q7)どのような財産に相続税が課税されるのですか?
A7) 相続税がかかる財産は、原則として、相続や遺贈によって取得した財産です。
例えば、現金、預貯金、土地、建物、株式、投資信託、宝石、家具、自動車、書画・骨董品、事業用資産、電話加入権、著作権などです。他に次の財産にも相続税がかかります。
① 相続や遺贈によって取得したものとみなされる財産(みなし相続財産)
例えば、死亡退職金や功労金、死亡保険金、生命保険契約の権利などです。
② 相続開始前3年以内に被相続人から暦年課税に係る贈与によって取得した財産
③ 生前に被相続人から相続時精算課税に係る贈与によって取得した財産
この記事の執筆者
- リーガルフロンティアグループ 代表司法書士 小西克広
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保有資格 司法書士(大阪司法書士会所属 第2758番)
宅地建物取引士(未登録)経歴 2003年司法書士試験に合格後、大阪市内の司法書士法人に勤務。
約2年の経験を積み、2005年司法書士法人リーガルフロンティア入所。
2010年に組織変更により、新たに司法書士法人リーガルフロンティア WEST を設立
現在代表社員として、 事務所運営に注力する。
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